■ 音風景
ストリートミュージシャン00/03

掲示板から 春の風 投稿者:かみ 投稿日:2000/03/07(Tue) 駅の改札脇などで歌うギター少年がいた。 陽気に誘われてか、富士駅あたりの田舎駅前からも、 幾重かの歌声が聞こえてくる。 この冬、人待ち時に、何曲かベンチで歌う少年につきあって聞いた。 この地でも、日が落ちればそれなりに寒い。 かじかむ指で弦を押さえながら、背中を丸めて声を張り上げる彼を、 ちょっと、恥ずかしく、聞いていた。 はたから見れば、スーツにコートを着込んだ、 訳の分からないおじさんが、 若いのをのぞき込んでいるにすぎない姿だが。 良いお手本があって、そのお手本が皆に受け入れられて、 そんなことで、また、ギターの音も聞くことができる。 自分は歌もわからないけれど、聞くことはできる。 不思議なリズムに、ついていくことはできる。 彼らの「しゃらついた」ギターの音。 *1 甘い弦の押さえ。 何とも言えないチューニング。 でも、張りつめた声。 むやみに力を込めたストローク。 こんなところで歌えること。 何となく嫉妬も覚えつつ、 高揚した時間をいただいた。 (*1 ギターの音でD28がすべてとは思わない) (でも、彼らのギターの音への違和感は残る) (これに関しては、自分が年を取ったわけでもあるまい)